北海道独立宣言豊かな自治をめざして

「誰もが参加できる社会」で自治の基盤をつくり、「豊かな資源を活かした経済」で道民の生活を守ります。
誰もがここで暮らしたいと思える、豊かで誇りある北海道をつくります。

北海道がめざす4つの理念

自ら決める北海道政府

自ら決める北海道政府 中央に依存せず、同時に対立でもなく、自らの意思を明確に持ちながら、各方面と連携する。そのために、道民の想いを集め、しっかり意思決定し、メッセージを発信する北海道政府を樹立する。

道民参加の自治を実現

道民参加の自治を実現 道民一人ひとりが自分の暮らす地域・社会に想いを伝え、発言し合い、決定に加わる。そのために情報の提供と共有に基づく「住民自治」の環境を整える。

北海道のポテンシャルを活かした自立型経済

北海道のポテンシャルを
活かした
自立型循環経済で所得を向上
道民の暮らしをしっかり支える。そのために、北海道が誇る自然と資源、ブランドを活かした地域に根ざす経済を、“循環”“連携”をキーワードにつくり出す。

一人ひとりの価値観と尊厳を守る社会

一人ひとりの価値観と
尊厳を守る
社会
性別、年齢、障がいのあるなしにかかわらず、差別されない社会、誰もが相互に人格と個性を尊重して多様なあり方を認め合い、共に支え、支えられる社会をつくる。

8つの重点政策

 元気で豊かな北海道を作っていくのは、道民一人ひとりの力です。この道民の参加のもとに、自分たちの進路を自ら決める道政を実現しなければなりません。そして、その道民の力を基盤に運営されている市町村を支えることを抜きに道庁の役割はありません。知事は自らのビジョンと考え方を持ちながら、市町村長の皆さんと本音の議論を通じて北海道の進路を決めていくことが不可欠です。  道内の全市町村長、経営者、学識研究者、福祉関係者、芸術家など、北海道の様々なキーパーソンが一堂に会する「北海道経営会議」(※1)を毎年開催し、直面する重要課題の討議を深め、北海道の進むべき針路を決定していきます。  また、北海道命名150年を経た今日、先人の歩みを振り返りながら、子どもから大人までの多様な世代、各地域に住む道民の皆さんと直接対話を通じて、あらためて北海道民のアイデンティティを確認するとともにこれからの時代に向けた未来像を示す、「新・北海道憲章」(※2)をつくります。
 高齢者になっても医療的ケアが必要でも障がいをもっても、生きにくさを抱えた若者も住み慣れた地域で自分らしく生きることを支援します。共生社会の実現に向けて市町村とともに、医療と介護の連携強化を含む地域包括ケアシステムの推進、スクールソーシャルワーカー、コミュニティソーシャルワーカーの配置など支援体制の構築を促進し、関係機関が協力して困りごとを抱える人たちを伴走型で支えます。 各地域における支え合いの実態把握と支援の具体化に向けて「住民支え合いマップ」(※3)づくりを促進することをはじめ、「北海道共生社会パッケージ」(※4)をつくります。共生社会の土台となる介護、福祉人材の確保に向けて、イメージアップ、労働環境改善、離職防止・再就職支援、スキルアップ支援などに一層取り組みます。  さらに、地域の最も重要な生活インフラの一つである身近な病院・医療機関の維持に努めるとともに医師や医療技術者の確保に向けて取り組みます。過疎地の医師不足を解消するため、道が積極的に関与する新たな支援策をつくります。
 北海道の未来を育む子どもと子育て支援は、道民・地域が力を合わせて取り組むことが不可欠です。人口減少を食い止めるためにも、子どもが健やかに育つこと、親がゆとりをもって育てることを応援します。  市町村とともに幼い子ども(主に0~3歳)の育児と親の社会参加・居場所を確保するために、「ワークスペース型の子育て支援拠点」をつくるなど施設整備支援、ワンストップの相談支援体制の充実、ひとり親家庭の安定的な就労と生活支援、子育て世代の時間外勤務削減と保育所の質の確保・向上、子ども食堂など地域での支え合いと交流、子どものいじめ・不登校への伴走型支援などの施策を総合的に推進する「新・子育て支援パッケージ」(※5)により、成長に応じたそれぞれのステージで子どもと親の双方を応援します。  「北海道で働く若者応援奨学金返還支援制度」の創設、「道独自の給付型奨学金」の検討など就学支援策を整備します。子育てが大変な生活環境の原因となっている長時間労働の是正を、道庁を先頭に「子育て世代の長時間労働Stop運動」として推進します。
 観光立国ハワイにカジノはありません。今の北海道に必要なことは、カジノを誘致してギャンブル依存症を心配するより、子どもたちが笑顔になる居場所と安心して働くことができる将来をつくることです。道内地域の中小企業支援と北海道らしい特性を生かした産学官金の連携によるベンチャーの起業で経済成長と所得向上をめざし、豊かな道民生活を実現します。 道内179市町村それぞれに息づく歴史と生活文化、多彩な自然や豊富な農水産物を生かした食と観光で、海外との交流を促進し地域の活性化と雇用をつくります。道内の高校生・大学生など若者の留学支援や相互交流、中小企業の海外進出や成長分野への展開を促し、海外市場へのアクセスを可能とする情報・ノウハウの提供、人材獲得・育成、技術開発、資金調達なども含めた総合的な支援体制を構築する“Local to the World(ローカル・トゥ・ザ・ワールド)”の経済政策を推進します。 さらに、芸術文化の振興をはかり、情報発信と創造的文化活動の拠点である札幌と全道の豊かな自然・資源を結び付け、都市と地方の相乗効果を最大限発揮し、地域経済の活性化と観光振興を促進します。
 競争力強化や市場原理、資本参入の推進に偏った国の農林水産業改革では、北海道が世界に誇る安全・安心でおいしい農畜産物や水産物、豊かな森林資源を維持することはできません。  食の安全・安心及び種子生産に関する道の条例を適切に推進し、TPP・EPA、日米貿易交渉対策を強化して、北海道の農林水産業と農山漁村を守ります。  また、農山漁村の地域資源を生かした6次産業化はもちろん、「食」「観光」および「再生可能エネルギー」と最大限に結びつけることにより付加価値をつけ、元気で持続可能な地域経済・地域社会をつくります。とりわけ、畜産バイオガス、ソーラーシェアリング、漁協風車など「一次産業のエネルギー兼業化」(※6)を進めます。
 ブラックアウト(北海道全域での停電)を踏まえ、電力の安定供給体制確立のために、大規模集中から地域分散型への転換を進めるとともに、北本連系(北海道・本州間連系設備)など地域間連系線の増強(※7)や、「デジタル・グリッド」など新技術(※8)の導入による新たな電力システムの構築を促進します。  同時に「脱原発」の立場で原子力に頼らない北海道をめざし、再生可能エネルギーを大きな産業として育成します。とりわけ、送電線の空き容量がなく畜産バイオガスをはじめとして道内地元事業者が接続できない事態を改善し、地元事業者への優先接続(※9)により地域経済の活性化を図ります。また、自治体ごとの地域新電力づくりを推進し、地域内の再生可能エネルギーを仕入れて「地産地消」による電力供給体制をつくり、雇用創出や住民サービスの充実につなげます。
 積雪寒冷地で広域分散型地域の北海道にとって、交通機関はそもそも最重要のインフラの一つです。今日、JRの路線問題をはじめとして、基本的な生活を支える交通自体が危機に直面している一方で、外国人を含む観光客の増加の中でより利便性の高い交通網も不可欠になっています。全道的な交通ネットワークの再整備とその活用システムの改善をはかるとともに、交通空白地域を解消し、高齢者や障がい者の買い物・通院、子どもの通学、観光客など、すべての人に必要な移動手段が確保されることが大切です。  JR北海道の路線見直し問題は、廃止を前提とするのではなく、北海道の将来を見据え、北海道がイニシアチブをとって市町村・関係者と連携し、基幹的交通機関である鉄路を活かす方向性でさらに検討します。  鉄道のみならず、バス、タクシーなどすべての交通機関がMaaS(サービスとしての移動)の概念のもと、事業者も利用者にとっても利便性の高い最適な交通体系をつくります。また、ITS(高度道路交通システム)を推進し、産業の人材不足、高齢化にも対応した新たな交通システムをめざします。
 胆振東部地震から半年が経ちましたが、復旧・復興の対策と「復興基金」の創設や自治体の職員不足に対する支援など、被災地への支援を強めるとともに、近年増加している自然災害への備えを強め、みんなで支え合って安心して暮らせる地域づくりを進めます。  自治体庁舎や学校などをはじめとした公共施設や病院の耐震化と非常用電源の確保、災害情報を迅速・正確に把握し共有・伝達する情報基盤の整備を進めます。同時に、地域の災害対応体制の維持・整備と合わせて、道路など地域のインフラの地元業者による維持・補修を日常的に進めます。  そして、災害が発生しても皆で命を守り合える地域防災力(ソフト面)の強化が決定的に重要であり、自治体の地域防災計画や避難計画を住民参加で見直し、「住民支え合いマップ」の活用と合わせて、地域の避難訓練や防災体制を強化します。また、自治体や各企業・施設等の業務継続計画(BCP)の策定・改訂作業を支援します。  2月の余震で発生した「帰宅困難者」問題も大きな課題です。札幌市と連携して、安全な避難・待避場所や交通の確保などの対策を進めます。

北海道はいま、地域の疲弊や人口減少をはじめとして多くの課題に直面しています。こうした課題の解決を、国に依存するのではなく、わたしたちで考えて、話し合い、決めていく。その決意を「北海道独立宣言」という言葉に込めました。

かつて先人たちは過酷な自然環境のなか、生きるために互いに力を合わせて困難を克服してきました。それは北海道における自治のはじまりだったと言えます。自治の基本は憲法です。憲法を守り、私たちの手で豊かな自治をつくりましょう。

わたしが豊かな自治によってめざすのは、一人ひとりの尊厳と権利が守られ、すべての人が安心して働き暮らせる北海道、カジノよりも美しい自然と食、文化と芸術を求めて世界中の人々が集う北海道です。

わたしは、道民の知恵と力を束ねて、皆さんとともに北海道の可能性を開き、北海道の自立、発展、自治の充実、豊かさの実現のために、力の限りを尽くすことを誓います。

石川ともひろ